土曜の朝はたいてい筝・三味線のお稽古です。教室は師匠のおうちで、大谷地にあります。
へーと付き合う前は地下鉄で三味線かついで通っていましたが、ここのところへーに仕事の入っていない土曜日は車で送り迎えしてくれます(ありがたや)。
今日も送ってもらい、お昼前にお稽古が終わり、へーの車に乗って帰る時に、大谷地バスターミナル前の交差点で信号が赤になって止まったんです。交差点を左側に曲がるために左車線に寄っていました。
前には茶色っぽい乗用車が止まっていました。
そして、信号が青になって
「…ん?」
前の茶色の車がブレーキランプつけたまま動かない。
へーは「プッ」とクラクション鳴らす、…が動かない。
良く見たら、運転席のシートに人影がないんですね。
「なんだよー。人乗ってないじゃん。変なとこに車止めないでよー
」
と追い越してみたら、運転席には物影がありました。
まるで人が居て助手席側に倒れて込んでいる様に見えました。
「?!
」
と思って追い越したその車を振り返って見てみたら、なんとその車、ボンネットがグンニャリと山型に折れ曲がってるではありませんか!
「
え!!!…何?何かあったの?」
その車の止まっている場所はバスの出入り口すぐ近く。もちろんバスは出入りしてるし、交通量も結構多いところです。
茶色の車のボンネットが曲がる原因となった事故相手らしきものは見当たらない、他の車はその車の横を何事もなかったかのように通り過ぎています。(
現場はこの辺り)
へーは交差点を左へ曲がって、ちょっと進んだところで車を止めました。
へーは「ちょっと見て来るから、あやこは車に乗ってて」と言って、車を降りて茶色の車のある方へ走って行きました。
へーの車の助手席にポツンと残されたあやこ。
(あ。ハザードあがってない。つけなくちゃ)
ぽちっ …ハザードランプが点滅する。
横をタクシーが通り、へーの車を見て邪魔くさそうな顔をして前へ止まる。
(そっか。ここの先はタクシー乗り場か…)
…5分経過…
(一緒に行けば良かったかな… 車の中の人、死んじゃったりしてないかな… へー大丈夫かな… ここはタクシー乗り場だよって知らせなくちゃ… 車、動かした方が良いかなー…)
色んな想いが駆け巡り、不安になり、へーの携帯を鳴らす。
「留守番電話サービスにお繋ぎします」とアナウンスが入る。
(…電話…繋がらない…)
そのころのへーはどうしていたか、というと…
「
じ…事件…?!(その2)」へ続く